あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

非常事態ってやつも歓迎です(『ニシヘヒガシエ』Mr.Children)

youtu.be

 

ある意味緊急事態宣言のおかげ?で、ミスチルYouTube公式チャンネルで懐かしいPVが続々と解禁されています。

 

ライブでも定番の一曲で、中盤のダークな曲のブロックでよく演奏される印象です。ライブでは2番の「この指とまれ」のところが特に盛り上がります。

 

ミスチルの同系統のシングル曲といえば「マシンガンをぶっ放せ」、「光の射す方へ」、「掌」、「フェイク」などでしょうか。

 

PVでは、歌詞に出てくる天使と悪魔になぞらえてか、音楽番組の中で、1番はビートルズ、2番は1970年代のロックバンドのパロディが演奏します。ブラウン管テレビと、皮肉っぽいジョークを言う司会者が不気味に映ります。

 

張り付けの刑になったって 明日に向かっていきてくんだって

たたじゃ転びやしませんぜって 非常事態ってやつも歓迎です

ニシヘヒガシエ

 

「張り付けの刑になったって」、「抗鬱剤をちょうだい」、「愛だ恋だとぬかしたって 所詮は僕等アニマルなんです」と、トゲのある言葉が目立ちます。しかし、歌詞全体としては意外とポジティブです。

 

「ニシヘヒガシエ」というタイトルを聞くと、なぜか宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出します。詩の中でも東西南北に駆け回る内容があります。また、どちらも共通して「慾」の無さを感じます。「ニシヘヒガシエ」では、生きることへの欲求以外の着飾った部分は全て振り捨て、必死で前へ進もうとしているようにみえます。