あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生活とバッタのあいだ(『バッタを倒しにアフリカへ』前野 ウルド 浩太郎)

とうとうこの本を読みました。長い期間、本屋の新書コーナーで平積みになっているこの怪しげな本。光文社新書デフォルトの表紙ではなく、緑色の変な格好をしたおじさんが虫取り網を持ってなにやらポーズを決めています。そもそも著者の「前野 ウルド 浩太郎…

マクスウェルの天使(『ユービック』フィリップ・K・ディック)

ハヤカワ文庫出版のフィリップ・K・ディックの長編SF小説。 この物語は、ディック作品お馴染みの予知能力者(プレコグ)やテレパシー能力者といった超能力者サイドと、それらをを打ち消す力を持つ不活性者たちの対立が続いている時代の話です。 そして、この…

恐怖!精神病院(『ドグラ・マグラ』夢野久作)

『ドグラ・マグラ』夢野久作(角川文庫) 気軽には手を出せないような禍々しい表紙をしています。読者が表紙を見て選ぶのではなく、表紙が読者を選んでいるようです。果たしてこの本を売りたいのか売りたくないのか...地元の大きめの本屋に行くと、文庫本コ…