あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

いつの日か君のベートーベン(『REFLECTION』その2 Mr.Children)

前回に引き続き、Mr.Children『REFLECTION {Naked}』のその2です。 


 8. 放たれる

 美しくも、力強い曲です。

 たんぽぽが綿毛を空一面に飛ばすような情景が浮かびます。心や気持ちがゆっくりと解放されていくような気分になる曲です。儚いメロディながら壮大な演奏が印象的です。

9. 街の風景

 「横断歩道を渡る人たち」とは違う色眼鏡をかけて見ているような曲です。街を散歩して見えた風景を歌っているようで、実は作曲中の桜井さんの気持ちを誰か見知らぬ人に乗せて歌詞にしているように思えます。

 2番の作家の部分はまさにそうです。過去の自分自身と無意識に比較してしまい、周りからも比較されてしまうことはもはや避けようのないことだと思います。

 しかし、そんなことすらも前向きに受け入れて、「ラララ〜」と歌い飛ばしている感じが好きです。

10. 運命

  カルピスだけどスコール。ポップな演奏と手拍子が特徴的です。

また、ストレートな歌詞で、初期の曲を聴いているような純粋な?ラブソングです。の

ベートーベンの「運命」の扉を叩く音のように、僕も君にアタックしよう、なんていうベタな感じです。そして、その状況を自分自身で楽しんでいるような明るい元気の出る曲でした。

11. 足音〜Be Strong

 シングル曲であり、ザ・ミスチルという感じの曲です。

 この曲を聴いていると、一歩一歩前に進む背中を押してもらえるような気がします。

サブタイトル「〜Be Strong」をあえて付けた理由はなぜなのか少し気になります。

12. 忘れ得ぬ人

  君ではない別の「忘れ得ぬ人」の存在。君からすればそんなこと知らないし、僕だってそれをうまく説明することもできません。

 このまま「忘れ得ぬ人」を追い求めたところで後悔に終わることくらいはわかっている。でもどうしても頭から離れない存在。

 小説やドラマでありそうな、ロマンチックな曲です。

13. You make me happy

お気に入りの曲のひとつ。何度か聴いているうちに好きになりました。

 前曲と繋がっているように感じます。

「その当時の恋 思い出して 浸ってるって推理したろう?」

という部分は、「忘れ得ぬ人」のことが実は「君」には見透かされてているのかもしれない...違うとごまかすけれどもやっぱり頭から離れない、というシーンだと思っています。

 それでも最後にはなんだかんだ今、そして君が一番好き、となるところが良いですね。

14. Jewelry

 汚れてしまったプラスチックのJewelry、それはまだ宝石と言えるのでしょうか。

 泥水に浸かってしまい、はたから見ると決して宝石には見られない状態になってしまっても、「イノセントなまま」でありたいと願う。桜井さんが「イノセントな〜」と歌うところがとてもセクシーです。

15. REM

 ミスチル中で一番と言っていいほどに過激な曲。

 タイトルはおそらくREM睡眠から取っていて、夢の中での話のようです。

 「Pink〜奇妙な夢」のような幻想的な夢とは違い、この曲ではより鮮明なイメージを持った悪夢です。

 「ヘンゼルとグレーテル 」という言葉がサビで使われているのが印象的です。お菓子の家が出てきて再度はハッピーエンドで終わるとはいえ、親に捨てられたり魔女に食べられそうになったりと童話の残酷なイメージと重なります。

 

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