あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

真の冒険家の話(『緑の扉』O・ヘンリ)

「緑の扉」はO・ヘンリ作の13ページ(新潮文庫 O・ヘンリ短編集(一) 大久保康雄訳より )の短編で、「真の冒険家」ルドルフ・スナイダーの物語です。 冒険家とは言っても、大海原を航海するでもなければ、人類未踏の地へ行くわけでもありません。彼の冒険の舞…

人間とは何か(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック)

映画「ブレードランナー」の原作である、フィリップ・K・ディックの長編SF小説。 まず特筆すべきなのは、そのタイトルの素晴らしさ!ディック作品では「流れよわが涙、と警官は言った」と並ぶ良タイトルだと勝手に思っています。SF作品、その中でも海外の作…

メイキング・ショートショート(『できそこない博物館』星新一)

星新一さんのエッセイの中でも特にお気にりの一冊。千編以上のショートショートを書いてきた著者自らがその創作メモ、ボツになった作品について紹介し、考察・解説していくというファンにとっては非常に嬉しいエッセイ集です。