あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

八百万の話(『古事記』石ノ森章太郎)

中公文庫出版「マンガ日本の古典」シリーズの「古事記」。作者は石ノ森章太郎です。

 

前々から古事記を読んでみたいと思っているのですが、最初から原本を読むにはハードルが高そうなので、まずは漫画からと考え購入しました。

石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」は小さい頃図書館で借りてよく読んでいた記憶があり、個人的に懐かしさを感じます。

 

そもそも古事記が上中下の3部構成であることすら知らず、このマンガ中では上の内容を扱っていることのこと。全体の流れは知らずとも、それぞれの話自体は馴染みのあるものばかりでした。

作者あとがきによると、「古事記」上巻部分がもっとも「古事記的・マンガ的」であったから、本書タイトルには「上巻」は付けず、「古事記」としたとのことです。 

 

登場人物、いや、登場神物は八百万の神々であり、このマンガ中だけでも数十に及びます。

 

神々の誕生から、イザナキとイザナミによる天地創造天照大御神の誕生と話は進み、神武天皇の誕生までが描かれています。

 

 本書の章立ては次のようになっています。 

1.国造り篇
伊邪那岐神命(イザナキ)と伊邪那美神命(イザナミ)による日本の創造

・黄泉比良坂(現世と黄泉の国の境界)の話

2.姉弟

天照大御神アマテラスオオミカミ)、月読命ツクヨミ)、建速須佐之男命(スサノヲ)の誕生

・天の岩屋戸の話

・八岐大蛇の話

3.根の国

因幡の白兎の話

4.神々の降臨篇

・海幸彦、山幸彦の話

 

わかりやすく描くために省力・簡略化された部分が多々あるとは思いますが、葦原の中国、黄泉の国の思想の部分に日本の民族信仰の本質があると、素人ながら感じています。