簡単そうで難しい問題(『恐竜のほかに、大きくなったら何になりたい?』レイ・ブラッドベリ)
「恐竜物語」レイ・ブラッドベリ(新潮文庫)に収録されている短編小説です。それにしても、何て素晴らしいタイトルなんでしょう(笑)
主人公のベンジャミン・スポールディングは恐竜が大好きな12歳の少年です。
友達に「大きくなったら何になりたい?」と聞かれると、迷わず「恐竜」と答えるほどです。
彼のおじいちゃん、スポールディング氏はベンジャミン少年を博物館や、教会で牧師さんが恐竜の話をしてくれるときにはそこに連れて行ってくれました。
牧師さんからこんなことを聞きました。「一生懸命願うことで、望んだものになることができる」と。
家に帰ると、ベンジャミン少年は遥か昔の怪物たちが登場する本や、恐竜に関する本を読み漁るようになりました。
それ以来、彼の周りでは徐々に、奇妙な出来事が起こり始めたのです...
これは、ごく普通の、少年の成長の物語です。短い物語の中で、彼が大人になっていく様子がわかります。
ベンジャミンは「大きくなったら何になりたい?」という質問を、物語を通して3回されますが、どれも答えは違います。
たとえそれが何であれ、この質問に即答できるのは凄いことだと思います。少なくとも私にはその答えはわからなかったし、だからと言って適当に答えることもできなかったからです。