あるいは本でいっぱいの海

Or All the Seas With Books

主に書評ブログ。本、音楽、映画について書きます。

本-その他

「何も起こらない」が起こる(『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット)

「不条理演劇」の代名詞にして最高傑作 と帯(白水社、安堂信也 高橋康也訳)で紹介されている、二幕構成の戯曲です。前半は延々と続くナンセンスな会話に戸惑いましたが、二部に入った頃にはすっかり癖になってしまいました。 舞台は夕暮れの田舎道、一本の…

転がる石のように(『堕落論』坂口安吾)

『堕落論』(集英社文庫)の表題作。裏表紙の紹介では 生きよ、墜ちよ。生の現実から目をそむけず、肯定せよ。堕ちることのほかに真に人間を救い得る道はない、と説く。 と書かれています。 書店には、のんびり、あるがままに、とかフリーランスでもやってい…